スポーツ中の口元のけがを防ぐ
「スポーツマウスピース」
スポーツマウスピース(スポーツマウスガード)とは、スポーツ中の激しい衝撃や強い力から、歯を守るアイテムです。
また、頭部への衝撃による脳震とうなどの発生率や重篤率を緩和してくれるという報告もあります。
格闘技や激しくぶつかり合うことの多いコンタクトスポーツにおいては、装着が義務化されていたり、装着が推奨されているものもあります。
そして、マウスピースを正しく装着することにより、筋力や瞬発力が向上するなど、運動パフォーマンスを十分に発揮できるという相乗効果があることから、最近ではそれ以外のスポーツでもスポーツマウスピースを使用する人が増えています。
スポーツマウスピースによる効果
スポーツマウスピースを使用することで、以下の効果が得られます。
- 歯へのダメージの緩和
スポーツ中に歯をぶつけた際に、折れたり欠けたりするような外傷を予防します。
また、スポーツ中の食いしばりによる歯の過剰なすり減りを予防することもできます。
- お口のケガ防止
ぶつかった際に、口の粘膜や舌を自分の歯で傷つけてしまうのを防ぎます。
また、自分の歯で相手を傷つけてしまうことも防げます。
- 顎関節や頭部へのダメージ緩和
頭部への衝撃による顎関節や頭部へのダメージを緩和し、脳震とうの予防効果があります。
- 運動パフォーマンスの向上
しっかりと食いしばれることで、筋力向上や、より良い瞬発力が発揮できる可能性が高まります。
市販品とカスタムメイドの違い
市販のスポーツマウスピースもいくつか種類がありますが、当院ではカスタムメイドでお一人お一人のお口に合わせたマウスピースを製作しています。
市販品と歯科医院でのカスタムメイドとの違いは、以下のとおりです。
市販品
メリット
- 比較的安価(1,000円〜)に入手できる
- そのまま使用するタイプと自分で成形するタイプがあるが、いずれも気軽に始められる
デメリット
- お口に合っていない可能性が高い
- 自分で成形するのが難しく、適合を合わせにくい
- 外れやすく、話しにくい
- 歯並び、噛み合わせに影響する可能性がある
カスタムメイド
メリット
- 適合がよく、違和感が少ない
- 外れにくく、言葉を発音しやすい
- お口の成長に合わせて多少の調整が可能
デメリット
- 比較的高価(6,000円〜30,000円程度)で、歯科医院でしか作れない
- 成長期には定期的な作り直しが必要
それぞれにメリット・デメリットがありますが、特に子どもの場合は、永久歯へはえかわりや顎の骨も発育するデリケートな時期になるため、歯科医院でマウスガードを作ることをお勧めします。
作成の流れ
1
お口の診査(カウンセリング、診査)
マウスピース製作に先立ち、必ずお口の診査をします。
もし歯石やむしばがあった場合は、マウスピース製作前に適切に治療しておく必要があります。
2
型取り
粘土のような柔らかい材料をお口にいれて型を取ります。
3
製作
型を元に制作します。
製作期間は1週間~2週間です。(マウスピースの種類により前後します)
4
装着
できあがったマウスピースは、噛み合わせの調整を行った後にお渡しします。
スポーツマウスピース使用の注意点
スポーツマウスピースは正しく使用することで、大きなメリットが得られます。
そのために、以下のことに気を付けましょう。
- 試合の時だけでなく練習時から使用する
練習中のケガを予防するほか、普段からマウスピースの装着感に慣れることでプレーに集中できます。
- 正しく装着する
ガムのように噛んだり、無理に意識して噛みしめない。
また不要に外したりして遊ばないこと。
- 正しくお手入れをする
使用後はよく水洗いし、週に一度は浸け置きタイプのクリーナーでの洗浄をしましょう。
- 熱による変形に注意する
熱湯をかけたり、食洗機による洗浄、夏場に車内などの高温になる場所に放置しないこと。
- 定期的に状態をチェックする
永久歯へのはえかわりの時期では3ヶ月〜半年、永久歯になっても半年〜1年ごとに歯科医院でチェックをしてもらいましょう。
お子さんがより安全にスポーツに集中できるよう、歯科医院で作るマウスガードを正しく使用することをオススメします。